「この街では、春になっても少し雪が残っているんだ。そこは例えばバス停の建物の近くとか、歩道沿いのちょっとした土肌とか。ほんの少しの日蔭になっているから、暫く残る。他の多くの雪がとっくに解けてしまっていても。 暖かくなったとしても、とても寒い…
9/7 ・新宿御苑 木々の間を走り抜ける風が涼しくて気持ちよかった。都心でここまで澄んだ空気を味わえるのなら十分過ぎるなと考えたところで、入場料500円を支払っていることに気づいた。でも交通費を払って田舎に行くより安いのである。東京って金がかかる…
匂いは、思い出せない代わりに忘れない。 記憶は空に溶けている。あの日と同じ匂いがするのは、例えば僕がどうしても忘れたくないと願い、忘れてしまったあの日の想い出が、灰になって空に溶けているから。記憶は空に溶けている。僕は、記憶を嗅いでいる。 …
夏休みが終わる直前に、今年の後期についていろいろと計画を立てました。というのも、あることが分かっているイベントが2つ、あったからです。 一つ目は12月、延期になっていた成人式。もう一つは遡って11月、Mrs. GREEN APPLEのライブに行くための東京遠征。…
7月 大学に入ってからというもの夏は大体鬱で死んでいたので、久しぶりに健康に夏を迎えられました。 先輩のお家に行き、プレイヤーをお借りしてはじめてmerkmalカセット版を聴いた。そしたらなぜかキーが+2くらいになっていた(テンポは変わらず)が、あれ…
4月 どうしようもなく自分の世界の中に閉じこもり、外の世界ことがほとんど見えていなかった時代を終えてしばらくした頃、具体的に言うと2019年くらいから、社会の中で生きる正常な人間として、自分と他人を比較することを知った。 他人との比較によって相対…
こんにちは。寒いよマンです。イエナガさんが一年を振り返るブログを書いていたので、丸パクりします。 といっても、今年の1月のことなんてほとんど記憶にないものですから、適当にツイートなどを振り返りつつすすめていこうと思います。ツイ廃でよかった。 …
かつての僕らの瞳には光が在った。 それはもう、少女向け雑誌の表紙にいるキャラクターのように。その光り方は誰一人として同じではなくて、未熟な僕たちは、みんなそれぞれの輝きをもっていた。その瞳の光のせいで白飛びしたり、黒く潰れて見えなかった景色…
世界が間違っていたころ、わたしは1000円が払えなかった。否、100円だって払えなかった。 学校が終わって、勉強をしたくないから、となりのスーパーで、うまい棒を1本だけ買い、無料のお茶をカップに注ぎ、休憩コーナーにひとり座った。世界が間違っていたか…
0822 大学のmacのディスプレイに自分のパソコンを勝手に繋いで作業をしている。Apple LED Cinema Displayという10年以上前の製品だが、フルHDではあるが非常に視野角が広く綺麗な画面で、Appleの技術力を思い知る。まあandroidに乗り換えたんだけども。 0823…
0819 ここ数日夏の匂いがしない。先生からきたメールに「残暑の候」って書いてあった。残暑は夏ではないから残暑と思うのだ。夜になると寒いくらいに気温が下がる。こちら、一足先に夏が終わりました。 重い腰を上げて作業に取り掛かろうとした。が、何の作…
例えば高校生の頃 体育館に300人くらいが並ばされて、いろんな色の毛が生えてる謎の道具を持った先生が髪の毛を触ってきて、横の髪がちょっとでも目に触れたらおしまいで、白い紙を渡されて。 後日、横の髪を切ってから複数の先生の所に行って、最後に見ても…
寒いよマンです。いつもお世話になっております。 ヨルシカのライブ「月光 再演」の3月30日に参加してきました。 帰りのバスを乗り逃し東京で暖かい春とかほとんどアニメみたいな景色を堪能したのち最低気温がまだマイナスになる松本に帰ってきた結果、今日…
はたちになりました。 このブログのタイトルである「エピローグ」は、あるとき決定的に崩れたその後、つまり私の人生を指しているのですが、そろそろ席を立って映画館を出るときのようです。それでも私のエピローグが終わるわけではないのですが。 思えばora…
今年の夏あたりでただ生きていることが非常につらくなってしまい、そこから持ち直すにあたって、ただ生きていること、フラットに生命をつなぐことにそれなりに価値を見出した。まさか私が私自身に対して「生きてるだけで偉い」なんて思うようになるとは、去…
読書という言葉が指し示すものは、敢えて言うなら二つあるのではないかと思うようになったのは割と最近で、それは俺のバイト先から去年の秋頃辞めていった俺の(おそらくここ数年でたった1人の)先輩が割とビジネス書や自己啓発本の類を多量読むことを「読書」と…
衝動が見当たらない。両手の中にも、フローリングの床にも、青い本棚にも、乾いた枕にも、最近はどこを探しても見当たらなかった。どこにいったんだろうなー。外に出てみることにする。とは言っても、それすら億劫になった。 高校生の時、学校から13キロく…
かつての俺は無邪気にも「作曲家兼ライターになりたい」と言った。先日親には「あんたライターになったらどうなの。昔文章書くオファーとかもらってたじゃない」と言われた。作曲家にしろライターにしろ、今の俺には無理だ。作曲家に関しては2020の紆余曲折…
自分がジェンダー的に完全な男であるということに多少コンプレックスを持ち始めたのは、中1の頃だったと思う。おそらく「収穫の十二月」という作品の主人公にあこがれたんだと思う。「中性的」という概念を知り、自分がそれからかけ離れているということが、…
フォロワーのインスタライブにいったら、「襟足」と呼ばれたことが印象に残っている。ところで、リアクションペーパー系の課題での「興味深い」「印象に残っている」ほど使いやすい言葉はない。 「襟足」とは俺がたった1年、いやもっと短い一瞬の期間で使っ…
千葉への帰省から帰ってきた友達から貰ったマッ缶、久しぶりに飲んでみるとこんなに甘かったっけ?と思う。マッ缶を始めて飲んだのはおそらく3年前、一般的なスーパーや自販機で売ってるはずがなく、半ば伝説の飲み物と化していたそれを、かなり古い「良食生…
俺がブログを書くとき、特にこのブログを立ち上げてからは顕著で、必ず以前の記事と明確に気持ちの変化がある。「自分の人生の小説化をやめること」、そしてその行為によって「自意識と距離を置くことに成功してしまうこと」。 今の気持ちとしては、自意識と…
自意識のない自分が想像できない。 いまでこそ明確に根拠を持って「友達」という言葉を使う。 友達という言葉の使い方がわからない時期があった。いまだから自信をもって言えるが、間違いなく孤独だった。誰に何と言われようと孤独だった。孤独だと人はどう…
僕はこの高校3年間を、自分が高校生であるという自覚のほぼ無いまま過ごしてきた。 それは、例えば月一で友達とラーメンを食べに行くとか、ファミレスに深夜まで入り浸って教師の愚痴を言い合うとか、なんでもない休日に突然チャリンコで友達と遊びに行くと…