2024-01-15 記憶の話 「この街では、春になっても少し雪が残っているんだ。そこは例えばバス停の建物の近くとか、歩道沿いのちょっとした土肌とか。ほんの少しの日蔭になっているから、暫く残る。他の多くの雪がとっくに解けてしまっていても。 暖かくなったとしても、とても寒い冬があったことを忘れさせない。それでも、春も終わりに差し掛かれば、流石に消えて無くなるんだけどね。」 「何の話かって?」