エピローグ

世界の真ん中を歩く

いやなおとな

例えば高校生の頃

 

体育館に300人くらいが並ばされて、いろんな色の毛が生えてる謎の道具を持った先生が髪の毛を触ってきて、横の髪がちょっとでも目に触れたらおしまいで、白い紙を渡されて。

 

後日、横の髪を切ってから複数の先生の所に行って、最後に見てもらった体育教師に、「まだ長いな」「なんで髪を切らなきゃいけないのかわかるか お前の選択肢を減らさないためだよ」と嘘をつかれたこと

 

 

 

例えば中学生の頃

 

2年生の道徳の時間に、なんだったかな、人間関係のシチュエーションみたいなものが提示されて、「このシチュエーションの何が行けないか」という問いがあって、俺が書いた答えを横から見ていた先生が笑ったこと

 

3年生になってすぐの時期、級長になって、クラスの不和について、部活中も家に帰ってもああでもないこうでもないと考え、ノートに書いて整理して、また考えて、それから先生と相談室でいろいろ話し合っていた時、おれの口から「カースト」という言葉が出て、先生が「カーストなんてないでしょ」と言った時、確かに感じた違和感

 

 

 

例えば小学生の頃

 

音楽委員会の時間、おれが方針について意見をして、委員のみんなが手を挙げて同意して、よしじゃあ決定でってなろうとした寸前、だれかからなぜか真逆の意見がでて、おれは反論して、委員のみんなに確認したらなぜかその真逆の意見にみんなが手を挙げて、そっちに決まった後、顧問の先生が「みなさんちゃんと意見を考え直していてよいと思いました」と言って、そうじゃないだろと思ったときのこと

 

 

 

ほらこれしか挙がらない。

学校で出会った「いやなおとな」のこと、わすれてしまう。そしてちょっとでもわすれてしまったときから、晴れておれも「いやなおとな」に成り下がった。今度は俺が子供を苦しめる番だね。

 

 

 

 

おまえは?